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西暦2XXX年、とある有名な道場にて―





ギィン、と刃と刃のぶつかり合う音が何度も何度も響く。

「ha!まだまだ行くぜ!」

両手に一振りずつ刀を持った袴姿の人物は口端を吊り上げ愉しげにそう吐き捨て、相手が振り下ろした刀を右手の刀で弾くと力強く右足を前に踏み込み左の刀を左下から斜め上へ向けて振るった。

相手はそれを後ろに跳ぶことで避けると、すぐさま攻撃に転じて突きを繰り出してきた。

「遊士様、何度言ったら分かるのですか?貴女は女性なんですから言葉遣いはきちんとしなさい」

「Sorry、分かっちゃいるがもう癖なんだ。仕方ねぇだろ」

相手の攻撃を受け流し、互いに距離をとる。

「仕方ないではありません!貴女は伊達家の当主なんですよ?当主ならば…」

「まぁたそれかよ。ったく、説教ならこのオレを倒してからにしろよ!You see?」

ニイッ、とその顔に笑みを掃いて左右の刀を構える。

「貴女が直して下されば俺だって言いませんよ」

溜め息を一つを落として相手も左手に持つ刀を構えた。

「ha、まぁいい。行くぜぇ!伊達 遊士推して参る!」

バチバチと蒼白い光が刀を取り巻き、遊士の眼光が鋭い刃のように細められた。


ヒュンと空を切る音と共に振り下ろされる左の刀を彰吾はギィンと弾き、左から来る斬撃を受け止める。

「さすが彰吾。次も受け止めろよっ!」

ギリギリと擦れ合う刃を挟んで遊士と彰吾は睨み合う。
彰吾は眼前にある好戦的な表情を浮かべる主に二つ目の溜め息を落とすと、スッと細く息を吸って吐いた。
すると、遊士の刀に触発されたようにパリパリッと彰吾の刀にも蒼白い光が走る。

「Ok、Ok。良いねぇ。そうこなくっちゃ!」

バチッ、と大きな音を立てて弾かれた刀を構え直し遊士は再び距離を詰める。
彰吾はそれを迎え撃つ為に僅かに腰を落とし、刀を構えた。
左右から挟撃するように放たれた二本の刀と、それを弾き返すように横一線に振られた刀がぶつかり合う。

―ギィンッ

その瞬間、触れ合った刃から目が眩むほどの蒼白い閃光が迸った。

「ha……?」

「なにっ…!?」

今までにない現象に遊士と彰吾は驚き、数秒の間光に視界を奪われた。
そして、光が収束し終えたと同時に聴覚が何か空を切る、聞きなれた音を拾い彰吾は遊士の身を守るように視界が利かぬ中動いた。




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